新選組(手塚治虫)
昭和38年1月号〜10月号/少年ブック連載/全1巻

漫画の神様、手塚治虫にも、人気が出ずにあえなく打ち切りとなった作品がありました。
この『新選組』がそれです。
先生御本人は第2部の構想をも持っていたそうですが、
結局半分で終了。
後半が実現する日はありませんでした。
不思議です。
こんなに面白い作品なのに!!

幕末の動乱の巻沿いで父を殺された深草キュウちゃん。
剣の腕を磨き父の仇を討つために、新選組に入隊します。
同じ日に入隊した鎌切大作もまだ若い少年で、
2人はあっという間に意気投合しすっかり仲良くなりました。

ともに競いともに語りながらたくましく成長していく2人。
その間にも時代は流れ、仇討ちの愚かさや幕末日本の狭さを思い知っていきます。

そして最後の大どんでん返し・・・・大作が隠し持っていた秘密と、悲惨な結末に散る2人の友情。
この作品は手塚先生のフィクションですが、あの時代、事実こういう目に遭った人々が
必ず居たと思います。

何度読んでもまた読みたくなる、手塚先生の力作。